板碑は、中世に死者の菩提を弔い、自分の死後の安楽を求めて造られた石製の供養塔です。一般に、阿弥陀如来などを表す梵字、願文、年号などが記されています。この資料からは、「□正十六年 丁丑/・・・□禅尼」という文字が読み取れます。中世において、「□正」と正のつく年号は、「永正」と「天正」のみです。どちらも十六年に丁丑の年ではありません。天正頃には板碑はあまりみられなくなります。年号と干支は一致しない例もありますので、「永正」でみてみますと、十四年が丁丑の年にあたります。永正十四年(1517年)のものと考えてよいのではないでしょうか。
南関東地方では板碑には秩父産の緑泥片岩(りょくでいへんがん)が使われることが多いのですが、この資料は角閃石(かくせんせき)が使われています。 |